ニュージーランドの水泳公式大会の会場で、1人水泳大会をやってみた。後編

前回のあらすじ。

水泳大会出場を目指していた僕はトレーニングに打ち込んでいた。

しかし、日本水泳連盟の手紙がないと大会に出れないことを知る。

どうしても大会に出場したかった僕は、一人で水泳大会を開くのであった。

ニュージーランドの水泳公式大会の会場で、1人水泳大会をやってみた。前編

1人水泳大会当日

水泳大会当日

僕はいつもより早く起きた。

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興奮して寝れなかったからだ。

と言うより、ゴーグルがきつかったからだ。

 

いよいよ練習の成果を発揮する時が来た。

試合に出るからには、勝つ。

負けられないんです。

自分との戦いなんです。

だって、僕1人ですから。

 

できるだけ抵抗を減らすためにヒゲを剃る。

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気持ちもすっきりし、いいタイムが出るように僕がいつも試合前にやる暗示みたいなものだ。

 

いよいよ始まるんだ。

自分との戦いなんだ。

 

朝ごはんを食べて少しリラックスする。

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良い泳ぎをイメージして、優勝している自分を想像するのだ。

試合前のイメージは大切だ。

一人で大会に出るにあたって、いろいろ妄想するのである。

 

それでは、いってきます。

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このままでは大会に出る以前に警察に捕まる可能性があるので、服を着た。

 

会場までは電車と自転車で向かう。

ニュージーランドの電車は自転車を置くスペースがある。

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自転車とともに電車に揺られ、水泳大会の会場へ向かった。

 

大会のアップが始まる14:00まで時間を潰すために、途中でショッピングモールでご飯を食べた。

ご飯を食べているとき、ソワソワして、ゴーグルでもつけようと思った時、

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ハッとした。

ほんとに驚いたんですけど。

 

まじか。

え、まじか!!

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さっきまでポケットに入れてたゴーグルがない!!!!

 

どっかで落としたんや!!!!

どうしよ、まじで。

こんなことってある?

いくら俺がおっちょこちょいでも、これはやりすぎです。

 

あれ、お気に入りのゴーグルやねんけど。

日本縦断中に買った思い出のゴーグル。

しかも、もうすぐ試合始まるんですけど!!!!

ウソでしょ、これ、まじでシャレなんないって!!!

 

でも、よく考えてみよう。

ここはショッピングモール。

絶対なんでも揃うから。

ゴーグルも売ってるから!!

 

落ち着け!!

落ち着いて、新しいゴーグル買えばいいんだよ。

 

 

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これー!!!!

なにこのピンク!!!

何これ!!

これしかなかったの!!!

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いや、鼻栓とかいらんから!!!

鼻栓のこの白いゴム何?!いらんから!!!

こんなんで大会出れへんから!!!!

 

やばいよまじでこれ。

飛び込んだ瞬間にゴーグル外れるって。

今までの練習が水の泡だよまじで。

 

 

僕は絶望の中、自転車置き場へ戻った。

すると、なんと自転車にゴーグルが絡まっていた。

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まじで!えー!まじで!!!

あんのかい!!!!

あのしょうもないピンクのゴーグル買わんくてよかったやん!

今年一番無駄な買い物だったよまじで。

 

でも、これでちゃんと大会出れる!!!

まあ、大会出れへんねんけど!

 

なんやかんやしているうちに、14:00に会場に入った。

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選手たちが集まる場所に僕はいない。

僕は大会に出れない。

日本水泳連盟の手紙がないからだ。

 

観戦者の入り口から入場料3ドルを払って入る。

 

でも、そんなの関係ない。

気持ちは大会に出ている。

1人でもやる。

1人水泳大会なのだから。

 

メインプールでは選手たちがアップをしていた。

 

僕も着替えを済ませ、その中に飛び込んでいった。

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ここが俺が本気を出すところだ。

ここで誰よりも本気で泳ぐんだ。

アップで1番になるんだ。

そう思って僕は全力でアップをした。

 

まるで自分がマイケルフェルプスにでもなったように、周りのスイマーを抜いていった。

 

アップが始まり30分くらい経っただろうか。

端の2コースがダッシュコースとして解放された。

ダッシュコースとは、飛び込み台を使って、スタートダッシュの練習ができるコースである。

 

僕はベンチに座り、名前が呼ばれるのを待った。

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名前が呼ばれるのを待った。

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まあ、大会に出てないんで、名前なんて呼ばれないんですけどね。

 

一人なので、誰も自分の名前をコールしてくれないので、自分でコールする。

「Matsunosuke Morita from Japan!!

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そうです、僕がMr.Moritaです。

気合いとともにベンチから立つ。

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そして、緊張の中スタート台に立った。

この瞬間が一番緊張する。そして一番集中している。

いよいよ始まる。

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「Take your marks. Go!!!!

自分で一人で言うと同時に、僕はスタートした。

 

周りが普通に泳いでいる中、僕は誰よりも早く、誰よりも長く、50m平泳ぎを泳ぎ切った。

泳いでいる途中、何度も自分に言い聞かせた。

 

これは自分との戦いなんだ!!

がんばれ!!あと少しだ!!やり切るんだ!!!

 

僕は泳ぎ切った。

1人で泳ぎ切った。

 

この日ただ1人、選手ではない日本人が、水泳大会のメインプールで全力で泳ぎ切ったのだ。

 

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今日の自分の泳ぎですか??そうですね、かなりよかったと思います。アップのダッシュでは他を寄せ付けなかったのではないでしょうか50m全力で泳いでたの僕だけでしたからね。もし、アップのダッシュ部門があれば、間違いなく僕は優勝していたでしょうね。」

 

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試合に出れなかったことについてですか?そうですね、後悔はないですね。試合には出れませんでしたが、自分という一番のライバルに勝つことができたので。まあ、本当は出たかったですけどね。」

 

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今回の企画についてですか?そうですね、思った以上にオチがなかったですね。企画段階からうすうす気づいていましたけど、完全に出オチでしたね。

 

 

 

でも、今回の企画で唯一わかったことがあるんですよ。

新しい発見でしたね。生まれて28年間で初めてわかりました。

swimming

まさか僕の顔の輪郭がこんなに四角だったなんてね!!

 

ABOUTこの記事をかいた人

たこ焼きを愛し、世界中でたこ焼きを焼くために飛び回っているたこ焼き野郎です。世界中で金色の全身タイツや、ドラゴンボールのフリーザの格好で人を楽しませ、「クレイジー」と言われることに快感を得ています。現在ニュージーランドでたこ焼きを売るため、奮闘中!!

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