ニュージーランドの水泳公式大会の会場で、1人水泳大会をやってみた。前編

1ヶ月前のことです、オークランドの情報をネットで見ているとある記事を見つけたんです。

「オークランド水泳協会公認の水泳大会が開かれる」

これを見たときもう、めっちゃ嬉しかったんです。

僕は高校と大学と水泳部で、水泳が大好きだったからです。

海外で水泳の大会に出ることが夢だったので、さっそく募集要項を読みました。

この大会には参加標準タイムが設けられていて、そのタイムを切っていないと大会に出れないというものでした。

こちらが標準タイム。

僕の大学時代の自己ベストタイムが、標準タイムをクリアしていたので大会に出ることができます。

僕のベストタイムは、

50m Breast（平泳ぎ）が31秒2　　

100m Breast（平泳ぎ）が1分07秒6

17歳以上の標準タイムが38秒と1分23秒なので、余裕で標準タイムをクリアしているのがわかります。

大会があることを知った翌日からジムに通い始めました。

オリンピックスイミングプールという歴史のあるいいプールです。

ウェブ割引で月額４０００円でプール、ジム、スチームサウナ、ジャグジーバス使い放題、ヨガ教室や筋トレ教室も無料で参加できました。

「出るからにはメダルを取らなあかん！」

その一心で、筋トレと水中トレーニングを毎日こなしました。

身体も徐々にできてきて、ハードな水中トレーニングもこなせるようになってきました。

いい感じです。メダル目指せますよこれ。

大学一年のときの東海国立大会優勝のときくらいの仕上がりを見せてきましたからね。

目標ができたときの僕は力を発揮します。

そして、いざ、オークランド水泳協会のウェブからエントリーしようと思ったんですね。

さて、名前書いて、連絡先書いて、

えーっと、次は、、、

「どこのチームに所属していますか？」の文字が。

ん、なにこれ、

え、まじで。

俺どこにも水泳チームに所属してないんですけど。

いや、でも、三重大学水泳部に所属してたし、なんとかなるかもしれん。

まあ、なんとかなるでしょう多分。

えー！！！！！

なにそれ！！

 日本水泳連盟の手紙って何それ！！！

そんなん無理やって！！！

ヤンキーの娘から父への感謝の手紙くらいもらうの難しいよそんなん！

結婚式くらいだよそんな手紙！！！

まじか！！！！！

え！！まじか！！！

これ、ほんまになんともならへんやつや！！

俺はなんのためにこの20日間トレーニングしてきたねん！

なんのために体を酷使し、耐乳酸トレーニングをしてきたのか。

朝はやく起き、バイトの前にトレーニングし、体がボロボロの中バイトをしていたのか。

この努力を無駄にはしたくない！

無駄にはさせない！！！

諦めてたまるか！！

やってやろうじゃないの！！

一人でもやってやろうじゃないの！！！

一人水泳大会じゃー！！！！

ということで、

僕は水泳大会をやっている会場で、1人水泳大会をすることを決意したのです。

コンディションを整えるため、とりあえず前日の夜にビールを一杯飲みます。

明日の試合に備え、ストレッチとイメトレも忘れずに。

いったいどんなドラマが待っているのか。

「優勝する自信ですか？？もちろんありますね。だって、１ヶ月しっかりとトレーニングして明日の大会のために準備してきましたから。たとえ周りの選手が速くても、僕は自分の泳ぎをするだけです。まあ、大会っていっても僕一人なんですけどね。でも、水泳って個人競技じゃないですか。結局のところ自分との戦いなんですよね。自分の過去のタイムを更新して、過去の自分に勝つっていうか。だから、大会に出れないことに関して全然後悔はしてないですね。むしろ、今ワクワクしています。こんな機会を作ってくれたオークランド水泳協会に感謝ですね。」

「とにかく、明日は優勝するつもりで全力で泳ぎます。アッププールで誰よりも速く全力で泳いできます。大会には出れませんが、誰よりも速くアップしてきますから。アップが試合のつもりで、試合がアップのつもりで。まあ、見ててください。まあ、一人なんで見てくれる人いないんですけどね。」

こうして次の日の朝、

僕は水泳会場へと向かうのでした。

いってきます。

優勝目指して。

つづく。