アフリカのモロッコにたこ焼きが伝わった物語

2012年の夏でした。

モロッコのエッサウィラと言う小さな港町にたこ焼き屋ができました。

 

 

この物語は、

僕がモロッコで出会ったピザ屋のアナスという男が、たこ焼き屋を開くまでのお話です。

 

 

2012年夏 日本 三重県

僕は三重大学生活最後の夏休みに、ある事に挑戦しようと決心しました。

その挑戦とは、「モロッコでたこ焼き屋を開く」というものです。

 

夏休みに、航空券をとって、僕は人生で初めての地、アフリカのモロッコに出発しました。

たこ焼きの鉄板と千枚通しだけ持って。

 

モロッコに着き、モロッコ人のお人好しで近い距離感を楽しみながら、モロッコを旅していました。

たこ焼きをやろうと意気込んでいた僕は、モロッコの街を旅しながらある事に気づいます。

「たこが売っていない!」

そう、スーパーや市場でたこが売ってないのです!!

日本で売っているたこはほとんどモロッコ産が多いです。

たこの輸出はモロッコからが1位なんです!!

日本にモロッコ産のたこがたくさん売ってて、モロッコに売ってないはずない!!

 

でも売ってないのです。

というかそもそも、あんまりたこを食べないのです。

モロッコはどこへ行ってもたこで溢れかえる天国のような国だと思っていただけに、ショックでした。

しかし、日本に大量に輸出しているのだから、必ずあるはず!!

そう思って、とりあえず港町に行く事にしました。

そこが、エッサウィラという街でした。

 

エッサウィラについた僕は早速たこを探しに行きます。

しかし、ここでも市場に売っていないんです。

途方にくれましたが、翌朝に船が着く港に行きました。

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港の路上で、人がシートを引いて魚を売っています。

 

そして、そこでついにたこを見つけたのです!!!

そのたこを持ち帰り、宿で仕込みをします。

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サハラ砂漠で出会ったりょうたが手伝ってくれました。

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そして、路上で売り始めるのですが、50人ほどのモロッコ人に囲まれて、荷物も取られそうになったので、

すぐにやめようとしたところ、一人の男がたこ焼きを二つ買いました。

そして、僕たちにこう言いました。

 

「俺のピザ屋の前でたこ焼きやらないか?」

 

これがのちに「モロッコのたこ焼き職人」になるアナスとの出会いでした。

 

さっそくその次の日からアナスのピザ屋の前でたこ焼きを売らせてもらいます。

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アナスのピザ屋のキッチンで仕込みをして、営業開始!!

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僕は忍者の格好をして売っていました。

モロッコ人には忍者=ジャッキー・チェンらしいので、

「ヘイ!ジャッキーチェン!」と言われたら、

満面の愛想笑をかましていました。

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りょうたも手伝ってくれます。

二人のコンビは最高で、2年後、ボリビアで再会。

ボリビアでもたこ焼きをすることになります。

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たこ焼きを買いに来る子供達。

小銭を握りしめてたこ焼きを買いに来るこどもは本当に可愛かったです。

彼らの笑顔が今でも忘れられません。

 

これは思い出のたこ焼きセットです。

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ガスも町中を探し回って、おっちゃんから600円くらいで売ってもらいました。

鉄板以外の道具は食材も含めて全て現地で集めました。

 

 

楽しい時間はすぐに過ぎ去り、別れの時が来ました。

僕はなんども「ありがとう、ありがとう」と言い、

号泣しながらアナスと抱き合いましました。

 

自分の夢を叶えてくれたアナス。

モロッコでたこ焼きを売るという夢が叶ったのです。

感謝の気持ちが溢れ出しました。

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最後にアナスに言いました。

「道具を渡す、材料もレシピも教える。だからモロッコでたこ焼きを広めてくれ!」

「ありがとう!ミスターモリタ!ここでたこ焼きやるよ!!」

彼は言いました。

 

僕はアナスとりょうたと別れ、日本に帰国しました。

 

こうしてモロッコにたこ焼きが伝わったのです。

 

 

 

それから半年間、アナスと連絡が取れませんでした。

 

しかし、半年後、、、

 

突然自分ののホームページのお問い合わせからメールが届いたのです。

 

「エッサウィラで森田さんのされていたたこ焼き屋さんをみつけました」

そこにはアナスがモロッコでたこ焼き屋をしている写真も一緒にありました。

 

アナスは日本から遠いアフリカのモロッコでたこ焼き屋をやっていたのです。

 

こうしてまた「モロッコたこ焼き物語」は続いていきます。

 

つづく

ABOUTこの記事をかいた人

たこ焼きを愛し、世界中でたこ焼きを焼くために飛び回っているたこ焼き野郎です。世界中で金色の全身タイツや、ドラゴンボールのフリーザの格好で人を楽しませ、「クレイジー」と言われることに快感を得ています。現在ニュージーランドでたこ焼きを売るため、奮闘中!!

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